第92回アカデミー賞の授賞式がが行われ、メイクアップアーティストのカズ・ヒロさん(旧:辻一弘)が映画「スキャンダル」で2度目のメイク・ヘアスタイリング賞を受賞したとのことです。
授賞式の後に、このような「日本文化が嫌に・・」発言をしたとのことで、話題になっています。
カズ・ヒロさん。授賞式後の会見で、日本の経験が受賞に生きているのか聞きました。カズ・ヒロさんは「こう言うのは申し訳ないのだが、私は日本を去って、米国人になった。(日本の)文化が嫌になってしまい、(日本では)夢をかなえるのが難しいからだ。それで(今は)ここに住んでいる。ごめんなさい」 https://t.co/AkTk5T1uxj
— Toshi Ogata (尾形 聡彦) (@ToshihikoOgata) February 10, 2020
この記事では、日本文化が嫌になった経緯や今までの生い立ちなどを紹介していますので、ご覧ください。
カズ・ヒロ(旧:辻一弘)のプロフィール
カズ・ヒロ(辻一弘)2度目のオスカー受賞!シャーリーズ・セロンを実在のキャスターに変身【第92回アカデミー賞】 #アカデミー賞 #Oscars #スキャンダル #カズ・ヒロ https://t.co/gjJvyNs7Hx
— シネマトゥデイ (@cinematoday) February 10, 2020
2020年2月10日に第92回アカデミー賞授賞式が行われ、メイクアップアーティストのカズ・ヒロ(旧:辻一弘)さんが、映画『スキャンダル』で2年ぶりに2度目のメイク・ヘアスタイリング賞を受賞しました。
前回は、第90回の時に『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で受賞をしています。
そんなカズ・ヒロさんのプロフィールを紹介していきます。
本名:カズ・ヒロ(旧:辻一弘)
出身地:京都府京都市
生年月日:1969年5月25日(48歳)
住所:ロサンゼルス在住
カズ・ヒロさんは子供のころに映画「スター・ウォーズ」に影響を受け、特殊効果の仕事に憧れを持ちます。
そして、自身で8ミリ映画やミニチュアなどを制作しながら、映画雑誌「ファンゴリア」で特殊メイクの世界を知ることになります。
その後、特殊メイクを独学で勉強し、影響を受けた特殊メイクの巨匠「ディック・スミス」のところへ入門。
アメリカに渡ってからは、独特な感性や、優れた技術力が評価され、「LOOPER/ルーパー」や「PLANET OF THE APES/猿の惑星」「ベンジャミン・バトン」「グリンチ」など多数映画に参加していました。
アメリカでは文化の壁にあたったそうで、次のように話をしていました。
アメリカ人と一緒に仕事をするのは大変でした。
日本人みたいな気遣いはないし、個人社会なので、そこでどうやって生きていくか、最初のころは悩みました。
仕事の姿勢というか、毎日同じことを繰り返していれば楽なんです。
でもそこから一方、踏み出さないと進歩していかない。最初は半分けんかというか、激しいディスカッションでしたね。
でもリックさんも人一倍努力する人で、一緒になって雰囲気を変えていこうとしてくれました
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カズ・ヒロが日本文化を嫌がる理由とは?
今回の会見でカズ・ヒロさんが日本文化を嫌がる理由今回は説明していません。
しかし、以前にこのようなことを話していましたので、ご紹介します。
日本人の熱意のなさ?
カズ・ヒロさんは年に1回日本でもワークショップを開いていたそうなのですが、その時に感じていたことは「熱意がないこと」。
なりたいものや、やりたいことは、みんなそれなりにあるし、口では言うんです。いまは情報社会だけに、知識も持っている。
でも、それを実際の努力に結び付けていないという感じがします。
口だけが先行し、実際にどう動いているのか、結果や努力に繋がっていないという意味なんでしょうか。
確かに、日本の学生は中国や韓国の若者に比べてハングリー精神に欠けるというのも聞きますし、カズ・ヒロさんも日本人のそういったところが嫌になってしまった原因の一つだったのでしょうか。
また、『(日本の)文化が嫌になってしまい、(日本では)夢をかなえるのが難しいからだ。』とも話をしていますが、カズ・ヒロさんの発言を見てみると人から言われてやる仕事に不満を抱くようになったようです。
人から言われてやる仕事よりやりたい仕事を
以前にカズ・ヒロさんはこのようにも述べています。
映画やドラマの仕事は、人から言われてやる仕事でしょう。それに不満を抱くようになったのでやめたんです。
受賞よりも、自分で作りたいものを作って評価されるほうが、喜びははるかに大きいし価値もあるんですよ。
依頼による仕事ではないぶん、“産みの苦しみ”はいままでより大きいけど、その苦しみがすべて自分だけのもの、という感覚は、映画の仕事では味わえませんでした。
また、特殊メイクの世界でやっていけると確信できたのはいつ頃かという質問には、このように回答しています。
「やっていける」かどうかというより、「やりたい」からやっています。18歳から、その思いは変わっていません。大切なのは、やっていけるかどうかではなく、やりたいかどうか。好きな仕事でも苦労はあります。しかしそれはどの世界でも当然のことでしょう。
恐らく、日本では映画やドラマなど人から言われてやる仕事が多かったんでしょうね。それがアメリカに行って、好きな仕事をどうやっていくのかという方向に転換し、うまくいった。。
世の中の会社員がうらやむような理想を形にしていますが、実際に実を結ぶのはやはり努力の末、結果を出してきたからなんだと思います。
※追記※ 個人のアイデンティティを確立するため
色々と調べていたところ、2020年1月14日のYahoo!ニュースにこのような記事が掲載されていました。
改名のきっかけとなったのは、国籍を変えたことだ。昨年3月、彼は米国に帰化し、それにともなって日本国籍を失っているのである。アメリカに長年住んだ日本人の多くは、心のどこかでいつも考えていることではあるが、前からずっと考えていたのかというと、そういうわけでもないらしい。決断の後押しをしたのは、日本の人間関係だそうだ。
出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/saruwatariyuki/20200114-00158572/
「ずっと悩んでいたことで、もう日本国籍を切ってしまおうと。それで、変えたんですよ。余計なことを考えなくてすむようになったので、よかったですね。新たなスタート、っていうのでもないですけど、大事なことにだけ集中できるというか」。
「ウィンストン・チャーチル〜」で受賞をした時にも、彼は、「日本を代表して」とか、「日本人として初の」というような言われ方をされるのが、あまり心地よくないと語っていた。
「日本人は、日本人ということにこだわりすぎて、個人のアイデンティティが確立していないと思うんですよ。だからなかなか進歩しない。そこから抜け出せない。一番大事なのは、個人としてどんな存在なのか、何をやっているのかということ。その理由もあって、日本国籍を捨てるのがいいかなと思ったんですよね。(自分が)やりたいことがあるなら、それをやる上で何かに拘束される理由はないんですよ。その意味でも、切り離すというか。そういう理由です」。
この一文に理由が集約されているのかなと思います。
「日本人は、日本人ということにこだわりすぎて、個人のアイデンティティが確立していない」
つまり、国籍にとらわれずに、やりたいことを拘束されずにやる。ということなんでしょうね。
【2月18日追記】カズ・ヒロの日本語訳の本当の意味とは?
カズ・ヒロさんがアカデミー賞「メイクアップ・ヘアスタイリング賞」を受賞したときの言葉が日本語訳を日本メディアが紹介した際に、ニュアンスの異なる内容だったのではないかと朝日新聞デジタルが報じています。
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出典:Yahoo!ニュース(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200218-00070479-gendaibiz-int)
“Sorry to say but I left Japan, and I became American because I got tired of this culture, too submissive, and so hard to make a dream come true. So that’s why I’m living here. Sorry”.
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これを日本のメディアの多くは、以下のような日本語訳で紹介した。
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「こう言うのは申し訳ないのだが、私は日本を去って、米国人になった。(日本の)文化が嫌になってしまい、夢をかなえるのが難しいからだ。それで(今は)ここに住んでいる。ごめんなさい」(朝日新聞デジタルの記事より)
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この中の「too submissive」について、朝日新聞デジタルは日本語に訳すと「服従的」や「従順」と訳されると報じており、カズ・ヒロさんの言葉の真意はこのような意味なのではないかと伝えています。
これを踏まえて、カズ・ヒロさんの言葉を訳すと、以下のようになるだろうか。
出典:Yahoo!ニュース(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200218-00070479-gendaibiz-int)
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「残念ながら私は日本を離れアメリカ人となっている。周りに合わせ従順であることを強要する日本の文化の中で夢を叶えるのは難しく、そんな文化の中で疲弊してしまった。だからこそ私はいまアメリカに住んでいる」
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「got tired」という部分も私の拙い英語力では訳すのが難しく、「うんざり」や「嫌気がさす」といった表現の方が近いかなとも思うが、いずれにしても、カズ・ヒロさんは「日本の文化が嫌になって」という日本の文化全体を否定したような言葉は使っておらず、自身の信念に対して日本の「submissive」な部分が合わなかったと丁寧に説明している。
この記事でお伝えしてきた内容を含めると、日本の文化が他の人に合わせる社会で、何をするにしても自身のアイデンティティが確立されないというカズ・ヒロさんの悲鳴だと受け取りました。
ネット上の声は?
カズ・ヒロさん、2度目のアカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞、本当に凄いな。
スピーチでも師匠ディック・スミス、リック・ベイカーへの謝辞を述べたり、担当したシャーリーズ・セロンの演技を褒め称えたり堂々としていて素敵だった。
ほんとこれで歴史は変わったと思うし、日本はもっとこの結果を真摯に受け止めて力を入れていかないとほんとに置いていかれると思う。
メイクアップ&スタイリング賞を受賞したカズ・ヒロさんを日本メディアがどう扱うか注目したい。日本人だから、というおめでたな報道をしたら終わりだ。
おめでとう!アメリカ人かもしれないけどホコリです!
カズ・ヒロさんがアカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しましたが、彼は日本人として縛られたくないということから、日本国籍を捨て、名前も変えました。
日本人が受賞という面よりも、このことを取り上げて欲しい。
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SNSの反応はこちら
カズ・ヒロが日本がヤになったって言うのもメチャメチャわかるけど、だからといってそういう同胞意識みたいなの自体がダメだとは全然思わないんだよな(もちろん押し付けは最悪だけど)それこそポン・ジュノの受賞は個人の快挙でもあるし韓国の快挙でもあるしアジアの快挙として喜んでもいいと思う
— 始条 明 (@AkiraShijo) February 10, 2020
カズ・ヒロさんは去年自身の意志で日本国籍を離脱したアメリカ人なので日本のメディアもその点をきちんとおさえてほしい
— セメントTHING 시멘트 (@cement_thing) February 10, 2020
パラサイトめちゃくちゃ嬉しいけど、同時にカズ・ヒロさんが「日本の文化が嫌になってしまったのでアメリカ国籍を取りました」と言っているインタビューが流れてきてつらい…ってなってる日本よ…
— felicity ふぇり (@felicity3273) February 10, 2020
まとめ
メイクアップアーティストのカズ・ヒロさん(旧:辻一弘)が2度目のメイク・ヘアスタイリング賞を受賞しました!
日本文化を嫌になってしまった理由については明かされていませんが、以前の取材では、挫折や日本人の熱意のなさについて言及しています。
また、詳細がわかりましたら追記させていただきますね!