お雛様の飾り方は関西と関東で違う?段数別の並べ方や三人官女の見分け方紹介も

毎年3月3日は桃の節句。お雛様を飾る日ですね。いざ並べようとするとお雛様の飾り方、どうしたらいいか迷ってしまいますよね。

お雛様とお内裏様は右側と左側どちらに飾るのか?三人官女や五人囃子などのそれぞれの人形の見分け方はどうなの?などなど。

[text type=marker color=yellow]そもそもお雛様の飾り方は、関西と関東で違いがあります![/text]

この記事では、お雛様の飾り方についてご紹介していきます。
順番としては
1)関西と関東で違う?お雛様の飾り方や特徴
2)お雛様・段数別の並べ方
3)お雛様・三人官女の見分け方 になります。

1)関西と関東で違う?お雛様の飾り方や特徴

関西地方で飾られるお雛様は「京雛(きょうびな)」関東地方で飾られるお雛様は「関東雛(かんとうびな)」です。[text type=marker color=yellow]現在、全国的には関東雛(かんとうびな)の飾り方が主流のようです。[/text]
ではそれぞれの特徴と飾り方をみていきましょう。

1)-1関西地方のお雛様 京雛(きょうびな)の飾り方と特徴

[text type=marker color=yellow]向かって右側にお内裏様、左側にお雛様を飾ります。[/text]

▶理由:
・天皇が座る玉座(ぎょくざ)が左側だったため。
・日本古来の考えでは左側の方が、格式が高いとされていたため。

この理由から関西地方ではお内裏様を、お雛様の左側、つまり「向かって右側」に飾ります。

【特徴】切れ長の目に鼻筋の通った高貴なお顔立ちです。細面のいわゆる京美人なお雛様です。

1)-2関東地方のお雛様 関東雛(かんとうびな)の飾り方と特徴

[text type=marker color=yellow]向かって右側にお雛様、左側にお内裏様を飾ります。[/text]

▶理由:
・明治以降、西洋式の国際儀礼である「右が上位」の考え方が取り入れられたため。
・大正天皇が即位の際、西洋化の流れを受けて皇后の右側に立たれ、「右が上位」という考えが主流となったため。

この理由から関東地方ではお内裏様を、お雛様の右側、つまり「向かって左側」に飾ります。

【特徴】目が大きめでふっくらとしたお顔立ちです。お雛様の口元もかすかにほころんでいます。

2)お雛様・段数別の並べ方は?

お雛様といえば、7段の段飾りになっていますよね。段数別の並べ方はどうでしたでしょうか?

つづいて段数別の人形や道具の並べ方をお雛様の上段→下段という順番でお伝えしてまいります。

最上段

雛飾りの最上段は、お雛様とお内裏様です。

お雛様とお内裏様の後ろには金屏風を立て、両脇にはぼんぼりを飾ります。

【道具】お雛様とお内裏様の間にお神酒を載せた三方を飾ります。

二段目

二段目には「三人官女(さんにんかんじょ)」を飾ります。

並べ方は、向かって左側から「①提子(ひさげ)②三方(さんぽう)③長柄(ながえ)」の道具を持っている順番になります。この順番で並べると、座っている官女が中央に、左右が立ち姿の官女となります。

お雛様によっては立ち姿の官女が一人で、座り姿の官女が二人というものもあります。その場合は立ち姿の官女を中央に飾り、左右に座り姿の官女を飾ります。

【道具】三人官女の間(二カ所)に高坏を並べ、その上に桜餅や草餅を飾ります。

三段目

三段目には「五人囃子(ごにんばやし)」を飾ります。

並べ方は、向かって左側から「①太鼓(たいこ)②大皮鼓(おおかわつづみ)③小鼓(こつづみ)④笛」という楽器を演奏している順番になります。一番右端に「⑤謡い(うたい)」と呼ばれる扇をもつ歌い手を並べます。

「左へいくほど音の大きな楽器になっていく」と覚えやすいです。

【道具】道具はなく、五人囃子の人形のみを飾ります。

四段目

四段目には「右大臣(うだいじん)と左大臣(だいじん)」を飾ります。

向かって左側に右大臣を、左側に左大臣を並べます。右大臣は若者、左大臣は老人の姿をしています。もし顔立ちでどちらか区別がつかない場合は衣装の色が黒っぽい方を左大臣とします。

【道具】右大臣、左大臣両方の内側に白酒を置き、さらに白酒の内側(中央)に菱餅を供えます。

五段目

五段目には「仕丁(しちょう)」を飾ります。「三人上戸(さんにんじょうご)」とも言われます。

並べ方は、向かって左側から「①台笠(だいがさ)②沓台(くつだい)③立傘(たてがさ)」の道具を持っている順番になります。関西地方のお雛様では、左側から「①箒(ほうき)②塵取り(ちりとり)③熊手(くまで)」を持っている順番になります。

【道具】仕丁の両脇の、向かって左側に橘の木、右側に桜の木を飾ります。

六段目は雛道具

六段目には婚礼道具になぞらえた、箪笥、鋏箱(はさみばこ)、長持(ながもち)、鏡台、小道具、針箱、火鉢、衣裳袋(しょうぶくろ)、茶の湯道具の雛道具です。

並べ方に決まりは特にありませんが、向かって左側から上に書いた順番で並べるとバランスが良いです。

七段目はお駕篭・重箱・御所車

七段目にはお駕篭、重箱、御所車を飾ります。

並べ方は厳密な決まりはありませんが、中央に重箱、左にお駕篭、右に御所車を並べます。

3)お雛様・三人官女の見分け方はこちら

お雛様を段数別に並べていく上で、注意したい飾りつけが「三人官女」です。とりわけ並べ方がわかりにくい雛飾りである三人官女に見分け方をこちらでお伝えしてきます。

髪型や、衣裳も同じである三人官女は迷いますよね。二段目で見る人の目にもつきやすいですし。一体は座り姿で見分けがつきますが、残りの二体の見分け方はどうすればいいのでしょうか?どちらが左側で右側に飾るのでしょうか?

3)-1お雛様・三人官女のうち、一人はお歯黒の既婚者

三人官女とは、お姫様のお世話係の女性たちのことです。 彼女たちの顔をよくみてみると、一人だけ「眉毛なし・歯が黒いお歯黒あり」の人形があります。

これが「座り姿」の官女で、既婚者、年長者の官女です。

持っている道具は「三方(さんぽう)」と呼ばれる盃をのせる台です。この官女を中央に飾ります。

3)-2お雛様・三人官女の見分け方は「左手」と「道具」

三人官女のうち残りの二体、立ち姿の官女はどうやって見分けるのでしょうか。

一番の決め手には、官女の「左手」と「持っている道具」を見てみましょう。

・左手の指を伸ばしているのが、向かって左側に飾る官女

道具は「提子(ひさげ)」と呼ばれるお酒を注ぐ手持ちタイプの器を持っています。

・左手の指を、ものをつかむように曲げているのが、向かって右側に飾る官女

道具は「長柄銚子(ながえのちょうし)」と呼ばれるお酒を盃にそそぐ長い柄の銚子です。「左手」と「持っている道具」をみると残りの二体、立ち姿の官女も見分けやすいですね。

まとめ 

いかがでしたか?

「お雛様の飾り方は関西と関東で違う?」についておつたえしてまいりました。

まとめとしては…

  • お雛様の顔立ち、飾り方は関西と関東で違いがある。
  • 段数それぞれに、人形や道具の飾り方がある。
  • 三人官女の見分け方は「姿勢・左手・持っている道具」になります。

ただ雛人形は、作った人やその家の家風などによっても違いがあるそうです。一度、購入した店舗や、飾る際にその家の方に尋ねてみるのもオススメです。

女子の健やかな成長を願う桃の節句にお雛様を飾って、楽しくお祝いできるとよいですね。